頭のいい人が話す前に考えていること　安達裕哉著を読んでみた

基本情報

初版　　　2023年4月
出版社　　ダイヤモンド社
難易度　　★★★☆☆
オススメ度★★★★☆
ページ数　336ページ
所要時間　約5時間

導入

「話す」という行為は、単に言葉を発するだけではなく、相手の心理や状況を読み取り、自分の目的や意図を伝えるための戦略的なものだということを知っていますか？この本は、コミュニケーションのプロである著者が、自分の経験や研究に基づいて、頭のいい人が話す前に考えていることを紹介しています。この本を読むと、話す力だけでなく、聞く力や考える力も向上すると思います。

こんな人におすすめ

コミュニケーション力を向上させたい人。話し方や聞き方に自信がない人。相手に伝わらないと感じることが多い人。ビジネスやプライベートで人間関係を良くしたい人。

わかりやく要約

概要

本書は、話すという行為がどのように相手の心理や状況に影響されるか、またどのように相手に影響を与えるかについて、科学的な根拠と実践的なノウハウを示しています。頭のいい人が話す前に考えていることとは、自分が何を伝えたいか、相手が何を求めているか、どういう言葉や態度で話せば相手に響くか、などの5つのステップです。それぞれのステップには、具体的な例やヒントがあります。本書は以下のような流れで説を展開しています。
第1章では、話すという行為の本質と重要性について説明します。話すことは、自分の思考や感情を表現するだけでなく、相手との関係を築き、共通の理解や目標を達成するための手段です。話す力は生まれつきではなく、学ぶことができます。
第2章では、自分が何を伝えたいか明確にするステップについて説明します。自分の目的や意図を明確にすることで、話す内容や順序が整理されます。また、相手にも伝わりやすくなります。自分の目的や意図を明確にする方法として、3W1H（Who, What, Why, How）のフレームワークを紹介します。
第3章では、相手が何を求めているか把握するステップについて説明します。相手のニーズや欲求を把握することで、話す内容や方法を相手に合わせることができます。また、相手にも興味や関心を持ってもらえます。相手のニーズや欲求を把握する方法として、エンパシーマップやペルソナ法などのツールを紹介します。
第4章では、どういう言葉や態度で話せば相手に響くか考えるステップについて説明します。相手に響く言葉や態度は、相手の感情や価値観に寄り添うものです。話す内容や方法をより効果的に伝える方法として、ストーリーテリングやメタファーなどの技法を紹介します。
第5章では、話す前に自分の状態を整えるステップについて説明します。自分の状態は、自分の気持ちや体調によって変わります。話す前に自分の状態を整えることで、話す内容や方法に影響されないようにします。また、自分にも自信や安心感を持ちます。自分の状態を整える方法として、呼吸法やポジティブ思考などのテクニックを紹介します。
第6章では、話すときに相手の反応を見るステップについて説明します。相手の反応は、相手の表情や声のトーン、言葉の内容などから読み取ることができます。話すときに相手の反応を見ることで、話す内容や方法を適宜調整することができます。また、相手とのコミュニケーションをスムーズにします。相手の反応を見る方法として、アクティブリスニングやフィードバックなどのスキルを紹介します。
以上が本書”頭のいい人が話す前に考えていること”の概要です。

著者紹介

安達裕哉（あだち・ゆうや） 1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイトトーマツコンサルティング（現アビームコンサルティング）に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計１億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに[^1^]。 Twitter：@Books_Apps[^2^]

感想

話すという行為がどのように相手に影響を与えるか、またどのように自分にも影響を与えるかについて、深く考えさせられる一冊です。著者は、コミュニケーションのプロとして、自分の経験や研究をもとに、話す前に考えるべき5つのステップを具体的に示してくれます。それぞれのステップには、実際に使える例やヒントが満載で、読んでいてとても参考になりました。話す力は、生まれつきではなく、学ぶことができるということを教えてくれる本です。話すことが苦手な人や自信がない人はもちろん、話すことが得意な人でも、さらにレベルアップしたい人にもおすすめです。