タイトル
森林監督の野球哲学 Thinking Baseballを読んでみた
基本情報
初版 2020年10月
出版社 東洋館出版社
難易度 ★★☆☆☆
オススメ度★★★★☆
ページ数 184ページ
所要時間 3時間
導入
高校野球は変わらないといけない! そう断言するのは、慶應義塾高校野球部を率いる森林貴彦監督だ。彼は、体罰や投球過多、坊主頭強制など、これまでの高校野球観からの脱却を訴える。大切なのは、社会で通用するために“自ら考える力”を育てることだという。そんな森林監督が実践する「考える野球」とは何か。本書では、彼の独自の指導法や教育理念を紹介するとともに、高校野球のあり方や意義について問い直す。
こんな人におすすめ
野球に情熱を持つ人。高校野球の現状や課題に関心のある人。教育や人材育成に関する知識やヒントを求める人。
わかりやく要約
本書は、高校野球のあり方や意義を問い直す一冊です。森林監督は、目先の勝利だけではなく、社会で通用するために必要な「自ら考える力」や「スポーツマンシップ」を選手たちに身に付けさせることを重視しています。そのために、コーチング主体の指導法や主体性のある練習方法を実践しています。また、髪型自由や長時間練習なしという伝統にとらわれないチーム作りも行っています。本書では、森林監督の独自の野球哲学や教育理念が詳しく紹介されています。
概要
本書は以下のような流れで説を展開しています。
第1部では、高校野球におけるさまざまな課題や固定観念を挙げ、それらが選手の人生や社会に与える影響について考察します。体罰や投球過多、坊主頭強制など、これまでの高校野球観からの脱却を訴えます。
第2部では、高校野球の役割や目的を問い直し、社会で通用するために必要な「自ら考える力」や「スポーツマンシップ」を選手たちに身に付けさせることを重視します。そのために、コーチング主体の指導法や主体性のある練習方法を実践しています。
第3部では、高校野球を楽しむための条件や工夫を紹介します。野球を楽しむチームの特徴や指導者像、試合への向かい方などを具体的に解説します。
著者紹介
森林貴彦さんは、慶應義塾高校野球部監督であり、慶應義塾幼稚舎教諭でもあります。1973年生まれ。慶應義塾大学卒業後、NTTに勤務するも指導者を志し、筑波大学大学院でコーチング学を学びました。小学校教員をしながら、慶應義塾高校のコーチや助監督を務め、2015年から同校監督に就任しました。2018年には春夏連続甲子園出場の快挙を成し遂げました。2021年には107年ぶりの甲子園優勝も果たしました[^1^]。本書では、彼の独自の野球哲学や教育理念が詳しく紹介されています。
感想
本書は、私が今まで読んだ中で最も野球について深く考えさせられた本です。森林監督の指導法や教育理念は、単なる勝ち負けや成績だけではなく、人間としての成長や社会への貢献を重視しています。そのために、選手たちに自ら考える力や判断力を養うように促し、コーチングやフィードバックを通じてサポートしています。また、選手たちの個性や意見を尊重し、チームワークやスポーツマンシップを育てることも忘れません。本書では、森林監督が実際に行った練習や試合の事例やエピソードが豊富に紹介されており、彼の思想や理論が具体的に分かります。本書は、野球だけでなく、教育や人材育成にも興味のある方におすすめです。
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